シンメトリー [色と形]

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シンメトリー-左右対称というのは真ん中に中心線をひいてその右と左が全く同じという様式美の事と定義されている。一種の「理想的な形」なのだがなかなか世の中あるようでないからこそ、人々はみな、あるいはアーティストはみな、その最高の様式美、あこがれの理想美を目指すようである。
考えてみれば人の顔も体(?)も左右対称の人はいない。よく顔写真の真ん中に鏡を立てて右反射と左反射が別人になるという例を見たことありますが、
今は左右対称に近い人間を「シンメトリーな男」といい美男子のことをそう呼ぶようである。

神社に限らず建築物も左右対称なものは多い。宇治の平等院などという建物は一番イメージしやすい。その名もまさに平等院。

この神社、よくよくみるとシンメトリーとは言い難いが
ということは
まだまだこの神社も真のシンメトリーを目指して修行中ということか。
タグ:神社

草間弥生と原色 [色と形]

 昨日、主にニューヨークで作家活動をしてきた画家、草間弥生のドキュメントをテレビでやってた。
 長野県松本市の裕福な家に生まれた草間は、小さい時からいわゆる統合失調症で、常に死の恐怖や幻覚に悩まされ続け、それから逃れるために絵を描き始めたそうだ。
 番組の中でも常に「私が死んだら…」とか「死ぬ前に…」とか繰り返し繰り返し言葉に出していた。草間の描く絵の主なモチーフとなっている水玉は幻覚から身を守るために埋め尽くす儀式でもあるという。83歳の今もその幻覚と戦うかのようにキャンバスを原色の水玉で埋め尽くそうとする様子は鬼気迫るものがあった。

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 十年ほど前か、偶然隣町の飯田市でこの草間弥生の個展に出くわしたことがある。当日は草間はいなかったが近々その会場に現れるというようなことがPOPに記されてあったような記憶がある。
今草間の絵は一枚3.000万くらいだとテレビで報じていた。これもうっすらとした記憶だが、その個展会場では数万円程度の売値が記してあったような気がする。

 そのグリグリ水玉だらけの絵が今でも鮮明に脳裏に焼き付いている。出身が松本市であればこそ飯田という地方都市でも草間の個展は実現したのであろう。
 買っとけばよかった…というのは下種のみっともない愚痴である。

この2点の絵柄は草間とは何の関係もない
知人宅のカーテンに映ったステンドグラスの影である。

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タグ:草間弥生

エクシブ八瀬離宮の意匠 [色と形]

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サグラダ・ファミリアや桂離宮などを例に挙げるまでもなく
そのものが“アート作品”である建築物、構築物はいくらでもある。
その形はもちろん、色彩、使われている素材、空間、そして自然の採光、人工照明……
何よりもそこに身を置いて得られる充足感、昂揚感、安らぎ…

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「7つの習慣」を世に送り出したジェームススキナーは
自分がプロデュースしたホテルに
1泊二百数十万円のスイートルームを作った。
そして
それだけの額を支払っても納得のできる部屋にするために
自分が実際に宿泊して
結果、二百数十のチェック項目を提示した。

エクシブ八瀬離宮で酔いにかまけて玄関前にさまよい出た時に
そのジェームスの言葉を思い出した。
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デザインって何? [色と形]

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絵画とデザインとの違いってなんだろう…なんて時々考えてしまう。
絵画にないけどデザインにはあるもの
それはある種の「機能」なのか

いやいや違う
ヨーロッパの宗教画などは
信仰心を高揚させたり
教義をわかりやすく説明するシンボリックな表現だったり
やっぱりある種の「機能」が前提だっただろうし
日本の歌舞伎のいわゆるブロマイド的な役者絵などは
ひいきの役者の面影を手元におけるという「機能」があったっだろうし…。

では デザインって
いったい何なんだろう。

ウインドウディスプレイが
店舗への、あるいは商品への誘導を目的とする「機能」をもった立体デザインならば
じゃあ
彫刻って何なんだろう。


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タグ:デザイン

高山行 続き [色と形]

仕事を終えたあと 高山在住の方とお茶をする機会があった
尊敬する 音楽好きな先輩である
静かな 木の香りがするtea room “花筏”

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聞くところによると この店のオーナーは あながち自分が知らない方ではないようだ
その経営手腕を買われて 某企業の立て直しに参画
ずっと以前に同じホテルの同じ部屋に宿泊したことがある
人格者だった
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捨て去られるのがあたりまえだった杉の廃材を
独自の曲げ加工技術で再生
木目が 美しかった
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その人がかつて経営していたホームセンターでは
利益を生む商材にもかかわらず
環境的に問題だと知ると フロンガスを使用したスプレー缶商品を
店頭からすべて撤去したそうだ

素晴らしい経営者は
必ず 素晴らしいポリシーを持っている
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庭師と語る [色と形]

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石や 樹木や 砂や 壁を見つめながら
じっと思いを詰めていく庭師
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青空に ほわーんとした白い雲が
この日の 借景であった
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 まだまだ夏がへばりついている高山へ仕事で行った
 待ち時間に会場の近くにある「飛騨高山まつりの森」に隣接する「茶の湯の森」
 茶の湯文化に接することのできる施設で
 その庭先を歩いてみた
 表題の「庭師と語る」なんてのはキザだけど
 広い庭をファインダーで切り取っていく作業をしていると
 その1カット1カットに庭師の「語り」が聞こえてくるような気がした





POPな若者発見 [色と形]

キースへリングに感化されて
若干中学二年生でPOPartの個展を開いた若者を発見した
キースへリングはシンプルな線で描いたコミカルなイラストで
その周りに漫画なんかではびっくりしたときに描くラインを放物状に描く
イラストレーターというか画家というか

POPartというと我々の世代ではやっぱり
アンディーウォーホールか
マリリンモンローを極彩色でいろいろなカラーバリエーションで描いて並べた代表作を思い浮かべる
日本を代表するのは横尾忠則?
どちらも古いか…(笑)


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才能のある子だと思う
どんどんその才能を伸ばしていったらいいと思う
ご両親が一生懸命受付をしてみえたのが印象的

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ライブペインティングのパフォーマンスもあった
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才能の開花という言葉がある
確かに天才の開花は早いんだろう
でも
早すぎて
若くして老成…は大げさだけど
小さくまとまっちゃう人もいることは確か

たいがい そういうのは
周りの大人が
だめにしてしまうんだろう

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※佐藤了真展
  8月3日~8日まで
  可児市文化創造センターギャラリー

ホテルアソシアの意匠 [色と形]

一流ホテルといわれるところは
そのソフトウェアも大切なポイントだろうけど
まずは 外観 内装 インテリア 色彩感覚などは
真っ先に問われるところだろう

仕事のセミナーで駆けつけた
ホテルアソシア高山リゾート
いかがでしょうか


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世に素晴らしいと評価される建造物は
もちろん それそのものが 作品なのだ

確かにそれなりのホテルには それなりの意匠があちこちに…
このホテルは残念ながら 一番肝心の
最初にドアを開けて入った印象が
このホテルの
“顔”ではなかった
失敗 だと思う





アリスの不思議のお店 [色と形]

「アリスの不思議のお店」とは
中津川市の福岡という地の
山深~いところにあるロッジ風喫茶店の名前

オータさんという 少しユニークな人が奥様と二人でやっている
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このオータさんのお父君からしてとってもユニーク
東大を出て 家業は昆虫なんかを樹脂で固めた
アクセサリーグッズの製造販売
四国の山中でテント張ってて
正真正銘の“つちのこ”に出会ったそうな…
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オータさんは 一滴もお酒は飲めないが
私と二人で話し出すと 
何時間でも話が途切れない
理論家で 弁もたつ
こちらが少々話すのが面倒になってくると
すっと話をおさめる 
心配りのできる人でもある
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絵描きさんの義弟のアトリエをついで
喫茶店に改造してしまった
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ここには
少し違う風が吹いている
少し違う時間が流れている
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ぶらっと
不思議のお店に迷い込んでみませんか?

国道からどんどん山の中へ入っていくが
看板は小ちゃいが
不思議と 迷わずちゃんと行ける
ここからして 不思議のお店である

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真夏日 [色と形]

今日も真夏日だったとTVが報じていた
死者が出たと

ぎらぎらしたストレートな日差しは
どこか
いつもの夏と違う

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普段は あまり足を向けない喫茶店に招かれて行った


演出された灯りと

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灯りを生み出す演出と

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幸燈璃舎 にて

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